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精巣腫瘍
精巣から発生する腫瘍で、ほとんどが悪性腫瘍(せいそうしゅよう:がん)です。
好発年齢は1~10歳および15~45歳にピークがあります。特に停留精巣(精巣が陰嚢内に下降していない状態)の場合、思春期以降に悪性化するリスクが正常の約14~20倍とされており、重要なリスク因子のひとつです。
主な症状は、陰嚢内に痛みを伴わないしこりや硬結(かたい部分)が触れることです。腫瘍が大きくなると、陰嚢の重みや張りを感じることもあります。
精巣腫瘍は組織型により、次の2つに分類されます。
腫瘍マーカー(AFP、hCG、LDH)を測定します。これらは診断・治療効果の判定・再発の早期発見に有用です。
精巣内に血流の多い充実性腫瘍を認めることが多いです。
後腹膜リンパ節や肺などへの転移の有無を評価します。
脳転移などが疑われる場合に実施します。
すべての精巣腫瘍では、診断と治療を兼ねて、鼠径部(足の付け根)から精巣を精索ごと摘出します。この手術により腫瘍の組織型(セミノーマor非セミノーマ)を確定し、画像検査とあわせて病期(ステージ)を判定します。
その結果をもとに、術後補助療法(放射線治療または化学療法)の方針を決定します。
セミノーマは放射線感受性が高いため、必要に応じて実施されます。ただし、近年は化学療法の効果が高く、副作用管理もしやすいため、放射線治療の適用は減少傾向にあります。
一方、非セミノーマは放射線抵抗性のため、根治目的で放射線治療を行うことはありません。
進行例や再発例を中心に行われます。精巣腫瘍は化学療法に非常に良く反応することが特徴で、転移例でも治癒率は80~90%以上と高い成績が得られています。
代表的なレジメンは以下の通りです。
ブレオマイシン(Bleomycin)+エトポシド(Etoposide)+シスプラチン(Cisplatin)
最も一般的な標準的化学療法で、点滴で全身投与します。
エトポシド+シスプラチン
ブレオマイシンによる肺障害のリスクがある方(肺疾患や高齢者など)に用いられます。
後腹膜リンパ節郭清(RPLND:retroperitoneal lymph node dissection)は、主に非セミノーマに対して行う手術です。後腹膜リンパ節に画像上転移が疑われる場合、または化学療法後に3cm以上の残存腫瘍がある場合に実施されます。手術により、残存腫瘍の完全切除と再発予防を目的とします。