休診日火曜・土曜午後・日曜・祝日
診療時間09:00-12:30、14:30-18:00
受付時間8:50~12:00、14:20~17:30
前立腺がん
前立腺は男性特有の臓器で、膀胱のすぐ下に位置し、尿道を取り囲むように存在しています。主な役割は、精液の一部である前立腺液を分泌し、精子の働きを助けることです。
前立腺がん(ぜんりつせんがん)は、前立腺に発生する悪性腫瘍です。2020年の統計では、日本人男性のがん罹患数で第1位となっています。かつては欧米人に多いがんとされていましたが、近年は「PSA検診の普及」「高齢化」「食生活の欧米化」などの影響により、日本でも増加しています。
初期にはほとんど自覚症状がありません。進行すると、排尿困難・頻尿・血尿などの排尿障害が現れることがあります。さらに進行して骨に転移すると、腰や背中などの痛みが出ることもあります。
PSA(prostate specific antigen:前立腺特異抗原)は、前立腺でつくられるタンパク質の一種で、前立腺がんの腫瘍マーカーとして用いられます。一般的に、4.0ng/ml以上が高値とされますが、50~64歳では3.0ng/ml以下、65~69歳では3.5ng/ml以下が基準値の目安とされています。
ただし、PSAが高くても必ずしも前立腺がんがあるとは限りません。前立腺肥大症、前立腺炎、尿閉(尿がつまって出なくなること)、射精、長時間の乗り物の運転などでも上昇することがあります。
肛門から指を入れて前立腺を触診する検査です。前立腺は骨盤の奥にあり、直腸の壁越しにその硬さやしこりを確認できます。前立腺がんは直腸に近い外側に発生することが多く、直腸診で硬い部分が触れることがあります。
腹部から行われる一般的な超音波検査でも前立腺の大きさを測定できます。より詳細に評価する場合は、肛門から細長いプローブを挿入して行う経直腸的超音波検査を行います。
前立腺内に異常がないかを詳しく調べる画像検査です。MRIでがんが疑われる場合は、確定診断のために前立腺生検を行います。放射線被爆はありませんが、体内に金属がある場合は検査が制限されることがあります。
前立腺がんの確定診断を行うための検査です。麻酔を行った後、経直腸超音波で前立腺の位置を確認しながら、細い針で10数か所から組織を採取します。検査時間は10分程度ですが、まれに前立腺炎や尿閉などの合併症が起こることがあります。
前立腺生検でがんと診断された場合、がんの広がりを調べるためにCT検査や骨シンチグラフィーを行います。CTではリンパ節や臓器への転移を、骨シンチでは骨転移の有無を確認します。
前立腺がんの治療には、主に以下の方法があります。治療方針は、年齢・全身状態・がんの進行度・生活背景などを総合的に判断して決定します。
前立腺をすべて摘出することでがんを完全に取り除く治療です。最近ではロボット支援手術も多く行われています。
前立腺に放射線を照射してがん細胞を攻撃します。外照射のほか、前立腺内に線源を埋め込む内照射(小線源治療)、さらに陽子線治療・重粒子線治療などの先進医療もあります。
男性ホルモンが前立腺がんの増殖を促すため、その働きを抑えるホルモン療法が基本です。進行例では抗がん剤を併用することもあります。薬物療法の一種として精巣を摘出する去勢術が行われる場合もあります。
がんの悪性度が低く、小さい場合は、すぐに治療を行わずに、定期的にPSA測定や画像検査で経過を観察する方法もあります。治療による副作用を避けながら、必要に応じて治療を開始する方法です。