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過活動膀胱
「膀胱にあまり尿が溜まっていないのに、突然強い尿意を感じてトイレに間に合わない」といった尿意切迫感がある場合、それは「過活動膀胱(OAB:Overactive Bladder)(かかつどうぼうこう)」の可能性があります。
40歳以上の約12%が過活動膀胱であるというデータがあり、加齢とともにその割合は増加します。80歳以上では35%以上の方がこの症状に悩まされているとされますが、実際に医療機関を受診しているのは全体のわずか22%にとどまり、受診率は比較的低いのが現状です。
原因は大きく2つに分類されます。
排尿をコントロールする神経が障害を受けると、過活動膀胱が生じることがあります。主な原因となる疾患は以下のとおりです。
明らかな神経障害がなくても、以下のような要因で過活動膀胱が引き起こされることがあります。
排尿状況や既往歴を確認し、「過活動膀胱症状質問票(OABSS)」を用いて重症度を評価します。
| Q.この1週間のあなたの状態にもっとも近いものをひとつだけ選んで下さい | 頻度 | 点数 |
| 質問1 朝起きた時から寝る時までに、何回くらい尿をしましたか? | 7回以下 | 0 |
| 8~14回 | 1 | |
| 15回以上 | 2 | |
| 質問2 夜寝てから朝起きるまでに、何回くらい尿をするために起きましたか? | 0回 | 0 |
| 1回 | 1 | |
| 2回 | 2 | |
| 3回以上 | 3 | |
| 質問3 急に尿がしたくなり、がまんが難しいことがありましたか? | なし | 0 |
| 週1回より少ない | 1 | |
| 週1回以上 | 2 | |
| 1日1回くらい | 3 | |
| 1日2~4回 | 4 | |
| 1日5回以上 | 5 | |
| 質問4 急に尿がしたくなり、がまんができずに尿をもらすことがありましたか? | なし | 0 |
| 週1回より少ない | 1 | |
| 週1回以上 | 2 | |
| 1日1回くらい | 3 | |
| 1日2~4回 | 4 | |
| 1日5回以上 | 5 |
過活動膀胱の診断基準
質問3が2点以上かつ合計スコアが3点以上
過活動膀胱の重症度判定(合計スコア)
5点以下 軽症
6~11点 中等症
12点以上 重症
尿中の白血球や赤血球を調べ、感染症や腫瘍など、他の疾患がないか確認します。
排尿後に膀胱内に尿が残っていないかを確認します。
膀胱や尿路に結石や腫瘍などの異常がないかを確認します。男性の場合は前立腺肥大症の有無もチェックします。
体重の管理、飲水・カフェイン・アルコールの摂取制限、運動習慣の見直しなど、生活習慣全般の改善を行います。
尿意をなるべく我慢することで、排尿間隔を徐々に延ばす訓練です。
骨盤の底にある筋肉(骨盤底筋)を鍛えることで、尿漏れの予防・改善を図ります。切迫性尿失禁にも有効とされています。
膀胱の筋肉を緩め、尿を溜めやすくし、症状を改善します。
膀胱の過剰な収縮を抑制します。
前立腺肥大症を伴う男性では、排尿の改善に効果があり、第1選択薬となります。
難治性の過活動膀胱に対して、内視鏡を用いて膀胱の壁にボツリヌス毒素を注入し、過剰な膀胱収縮を抑える治療です。
膀胱や尿道をコントロールする末梢神経に刺激を与えることで、排尿機能のバランスを整える治療法です。